悠冴紀2019年1月17日救 済私が最も救いを期待したとき 求めた救いは私に背を向けた たぶんそれで良かったんだ おかげで私は立ち方を覚えた 自分で考える機会を得た 私に最も救いが必要なとき 私はもう救いを期待しなくなっていた たぶんそれで良かったんだ おかげで私は歩き方を覚えた...
悠冴紀2019年1月7日詩『LYCORIS』私はずっと見つめていた 土の下に眠る様 僅かに芽を出し 地上の光に触れる様 私はいつでも見つめている 繊細な花びらが放射状に広がる様 その一枚一枚が萎れていく様 記憶に焼きつけ フィルムに焼きつけ 枯れ姿までも眺めている その根に命の宿る限り あらゆる瞬間に美を覚えて ...
悠冴紀2018年12月28日詩『私の中のラグナロク』貴女は私のすべてだった 過去の私にとってのすべて 家族愛に恵まれなかった私の 家族代理 導く者を得なかった私の 教育者代理 欠落の多い私の半身を担う 自己代理 すべてを共有できた 絶対の親友 貴女一人いれば 他には誰も要らなかった 〝貴女に愛される人間〟を目指し...
悠冴紀2018年11月22日親 友自分に何をしてくれるか 自分にどんな利益をもたらすか そんな選び方はしない 恩人は皆親友? 得るものが無くなったらさようなら? そんな浅はかな判断はしない その生き方が その意志が その欠点さえもが 私を魅きつける 一緒に生きたいと思う 喜びを...
悠冴紀2017年7月14日夜 風涼やかな夜風がカーテンを揺らし 祭りに賑わう人々の声を運んでくる 遠いどこかから微笑ましげに 夢を抱きしめる子供たちの声 夢を思い出した大人たちの声 遠くに灯る屋台の明かり やがて街は眠りに就き 夜風が余韻を運んでくる 微かに残る声の木霊を吸収して……