悠冴紀2016年4月20日時計を止めて……音もなく降りしきる霧雨に 大気が霞み 近くにあるものさえ 遠く感じる 世界があなたを 失ったからだろうか あなたを想う人の数だけ 止まってしまった時計がある あなたが旅立ったあとも 時間は無慈悲に流れ続け 何事もなかったかのように ...
悠冴紀2016年2月29日詩『オーロラの宿る場所』傷を秘めてきた君に 贈りたいものがある 心の一端を見せてくれたお礼に オーロラを贈ろう そう、夜の終わりを告げる あの謎めいた曙の光だ 虹ほど馴染みやすくはないけれど 恐れる必要は少しもない あれは空の贈り物 そして夜を耐えた者の中に 色彩豊かに宿るもの ...
悠冴紀2016年2月28日詩『幽 霊』誰も私を見ないでくれ 誰も何も期待しないでくれ 君等の理想は幻だ 真の私は そこにはいない 誰の目にも留まらず 誰の記憶にも残らず 触れることもできない存在になれたなら・・・ そう、 君がしたのと同じように 私も世俗の一切を締め出したかった あらゆる人々の視界から 消えてし
悠冴紀2016年2月14日SPHINX過ぎ行く一年の終わりに 私はまた 君を振り返っていた 巡り来る一年の始まりに 私はまた 君を思っていた 今では行方も分からない君のために 私はこの先 どれだけの涙を流し続けるのだろう かつて血も涙もない冷酷さで 人ならぬ者と畏れられていたこの私が…… 一年の終わりに 私はまた
悠冴紀2016年2月10日君に贈るもの君に届けたい曲がたくさんある 君のその耳でこそ聴いてもらいたい曲が 君に届けたい言葉がたくさんある 君のその眼でこそ なぞってもらいたい言葉が 君のその感性 その受け取り方が 私はずっと好きだった 君の良質の反応一つ一つが 私を育て 磨き上げた だがすべては遠い過去 君が私