悠冴紀2016年2月8日クレバス深すぎる傷跡 凍てつく大地に刻み込まれた 底知れぬ裂け目 こんなにも深部に達していながら もはや血も出ないほど時を刻んだのか…… 遠い記憶に実感はなく ただただ知識として残るばかり だがそれが今ではコアを成す 地中に食い込む 深いクレバス ...
悠冴紀2016年2月4日自由の代価何人の人間が知っているだろう 自由とは完全なる孤立 誰にも何も求められなくなったあとの 真の孤独を意味すると 何人の人間が知っているだろう 自由とは責任ある選択の連続 誰の導きも 何の保障もない 日々手探りの道なき道のことだと 自由を求めて闘うとき ...
悠冴紀2016年1月19日詩「雪の記憶」作:悠冴紀 雪を見るたび 私はいつも 何故だか君を 思い出す 君の喪失は受け入れない 受け入れられるわけがない だがこの悲しみは 引き受ける あえていつまでも 悼み続ける 忘れるつもりなど更々ない 君との日々も その別離さえも たとえそれが楽な道でも...
悠冴紀2015年11月26日詩『モノ~無機質のユートピア』人は何にでも慣れるという 苦痛にも 恐怖にも 悲しみにも 少しでも楽になろうと望むあまり 己の感情を麻痺させる 確かに人は慣れていく 富にも 貧困にも 死臭にさえも 馴染んではならぬものもあるとは考えもせず 強さと信じて 慣れていく 人は自分で思うほど器用ではない これほど