悠冴紀2019年2月2日風の泉ライン川のほとりで 人知れず傷付いた足を癒すライオンを見た ナイル川のほとりで 人知れず涙を拭う隼を見た ボルガ川のほとりで 人知れず疲れた翼を休める鷲を見た 望んだ勝利を得た果てに 「独り」という代償の重みを知り 目指した理想の向こう側に ...
悠冴紀2018年12月28日詩『私の中のラグナロク』貴女は私のすべてだった 過去の私にとってのすべて 家族愛に恵まれなかった私の 家族代理 導く者を得なかった私の 教育者代理 欠落の多い私の半身を担う 自己代理 すべてを共有できた 絶対の親友 貴女一人いれば 他には誰も要らなかった 〝貴女に愛される人間〟を目指し...
悠冴紀2016年5月1日戦士の骸極端すぎた改革 反乱の渦 人々はある日突然戦士になる 求める神の食い違い バラバラに砕け散った世界 脱落していく同志たち 我が手が殺めた敵兵たち 巻き添えを食らった民たち 辺り一面 死ばかり 戦火を浴びて破壊を繰り返し 戦う目的さえ忘れて血に飢える...
悠冴紀2016年3月18日くらげ何も無い 涙が止まった 要らない感情が尽きたらしい ただ生きている 宇宙の底で 揺らめいている クラゲみたいに すべて終わった ああしよう こうしよう という意志さえ 今はもう見当たらない ああなるまい こうなるまい と突っ撥ねていたことさえ ...
悠冴紀2016年2月23日JANUS許せないのに 想っている 恨みながら 感謝している 突き放しながら 案じている 男でも女でもない架空の生き物のような 恋心も持たない乾いた人間だった私には 君との繋がりが 神聖だった あまりにも 私の人格は二つに分裂してしまった 君が私を引き裂いた 信じていないのに 受け入