悠冴紀2016年2月14日SPHINX過ぎ行く一年の終わりに 私はまた 君を振り返っていた 巡り来る一年の始まりに 私はまた 君を思っていた 今では行方も分からない君のために 私はこの先 どれだけの涙を流し続けるのだろう かつて血も涙もない冷酷さで 人ならぬ者と畏れられていたこの私が…… 一年の終わりに 私はまた
悠冴紀2016年2月4日自由の代価何人の人間が知っているだろう 自由とは完全なる孤立 誰にも何も求められなくなったあとの 真の孤独を意味すると 何人の人間が知っているだろう 自由とは責任ある選択の連続 誰の導きも 何の保障もない 日々手探りの道なき道のことだと 自由を求めて闘うとき ...
悠冴紀2015年8月24日蛹 君は蛹 君は自分自身から逃げ去る者 そして蛹は眠るもの 君の努力は繭(まゆ)の中 いつも行動を伴わない 他との交わりのない小さな殻の中で ただ独り 考えるだけ 関係はいつも一方通行 主体性ある行動を評価されるのが怖くて 空気さえ動かすまいと 受け身の姿勢で固まっている 誰かが
悠冴紀2014年12月11日祈 り街角に 通りに バス停に 悪魔と呼ばれる人達がいる 妄想狂と呼ばれる人達がいる 私は知っている 悪魔のつくり方 妄想狂のつくり方 彼等は何を見てしまったのか運命は彼等にどんな道を歩ませたのか 光よ 彼等を包みたまえ雨よ 彼等を潤したまえそして 私に自由を── 運命よ、今我等を解
悠冴紀2014年10月22日天狼 ~ハティユグドラシルの根に湧くミーミルの泉に ゆらりと蒼白い月明かりが浮かぶ 君は私の月だった 君の言葉と視線は 私を映し出す水鏡 誰もに見放され厭われていた私とは違い 君は輝かしい前途を期待された才ある者 何故こんな私が残り 君のような人が去らねばならなかったのか… かつて私は