ヴォネガットの言葉Ⅰ
- 悠冴紀
- 2015年10月11日
- 読了時間: 3分
●「大量殺戮を語る理性的な言葉など 何ひとつない」 ●「絵画と武器は、わたしが思っていた以上に共通点があるようだ。 それを使ってどんなに驚くべきこと、そしておそらくは記憶に残る ようなことをやれるかを、その持ち主に ほのめかすところが」 ●「女性は不道徳なテクノロジーに男性ほど好意的でありません。 人間を殺すような計画や機械装置に対する反対デモでは、 しばしば子連れの女性が男性の数を上回ります。 『フランケンシュタインの怪物』というアイディアを想像 したのはメアリー・ウルスタイン・シェリーという女性でした」 ●「前に行く人が万事心得ていると思い込むのは、 何よりも危険な信仰だ 」 ●「嘘の上にも 有益な宗教は築ける」 ●「善が悪に勝てないこともない。 ただ、そのためには 天使がマフィアなみに組織化される必要がある」 ●「誰かが不適応のままでいなくちゃいけない。 誰か この社会に馴染めない者がいて、 人間が今どこにいるか、どこへ行こうとしているか、 何故そこへ行こうとしているかに、疑問をぶつけなくちゃいけない 」 ●「私は国境を土台にものを考えることができないんだ。 想像上の一線なんて、妖精や何かと同じくらい非現実的なものに見える。 人間の魂にとって本当に大事なことが国境線から始まったり、 そこで終わったりするということが信じられない。 美徳も悪徳も、快楽も苦痛も、国境線で縛られたりしないよ」 ●「悪とは あらゆる人間の中に潜む大きな部分 ―─ 際限無しに憎み、神を見方につけて憎みたがる部分のことだ。 どんな人間にも、色んな醜さに えらく魅力を感じる部分があるもの だが、その部分こそ悪なんだ 」 ●「『敗北者は幾多の宗教を有しており、 その多くは泣く者と共に泣く宗教である』と、 わたしは言葉を続けるだろう。 『勝利者の唯一の宗教は、冷酷に解釈されたダーウィニズムであり、 それは、最適者のみの生存こそ宇宙の意志である』と主張する」 ●「この地球は今やひどい状態だ。 しかしそれは今に始まったことではなく、ずっと昔からそうだったのだ。 『古き良き時代』など、一度たりともあったためしがない。 同じような日々を重ねてきただけだ。 だから私は、自分の孫にはこう言うことにしている。 『年寄りに聞こう、なんて思うなよ。お前とちっとも変らないんだから』」 ●「バカな年寄りがいる。 わしらが経験したような大きな災難を経験しないうちは、 人は大人になれない、なんて のたまう奴らだ。 大きな災難というのは 大恐慌や、第二次世界大戦や、 ヴェトナム戦争なんかのこと。 ……私は第二次世界大戦から戻ってきたとき、 おじさんに背中を叩かれて、こう言われた。 『お前もこれで ようやく男になったな』 私はおじさんを殺したいと思った」 ●「我々が人間であるという大きな過ちの次に おかしている 大きな過ちは、『時』に対する過ちではないかと思う。 我々は 時計やカレンダーなど様々な道具を使って、 サラミのように『時』をスライスし、 そのひと切れひと切れに 名前をつけ、所有した気になり、 時はそれっきり固定されてしまうように思ってしまう」 ●「トラブルを起こすのは知識じゃなく、その利用の仕方だよ」
──カート・ヴォネガットJr.