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悠冴紀

名言(名場面)集4 from『クルイロ~翼~』


●「しばらく前までは、自分を楽しませるための最良の手段、自分らしく生きるということの表現として、サッカーがあった。でも今は、サッカーのために俺がいる。優秀な選手なんて世界に数知れずいるし、自分を超える新しいスター選手が、これからいくらでも出てくるだろうけど、俺のプレーそれ自体は、俺に代わる創作家を見つけることはできないからな。今度は俺が道具で、ボールが主体だ」

●幼いうちから「どうプレーすべきか」ということばかり教え込まれた結果、個性のない型にはまったプレーをしがちな選手が増えていく中、ボリスは常に奇抜な発想と自由な表現で観る者を驚嘆させ、世界を沸かせてきた。

 数学で喩えるなら、彼は、テキストを開いて公式を暗記するのではなく、何も予備知識のないところから 自分の発想だけを頼りに数式を組み立てていくタイプの人物である。試行錯誤するうちに、数字として一つの解答を導き出すまでに 色々な方法があることを発見し、その過程をいかに楽しもうかと模索する。要領は悪いかもしれない。ある地点に辿り着くまでに人より時間がかかり、多くを消耗する。だが何一つとして無駄ではない。そうしたことを積み重ねてきたからこそ、ほかの誰にも築くことのできない頑丈な土台を築き、ほかの誰にも見出せない様々な可能性を見出し、幾通りものパターンで表現することができるようになったのだから。

●「ここに居るのは、“ボリス・スクラートフ”というスタイルのサッカー。そのプレーだけが生き続ければいい」

●「今思うと、すべてのことが、このサッカーライフに向かって進んでいたような気がする」

 ボリスは少年時代によくやっていたように空を仰ぎ、大きく息を吸い込んだ。

「あの頃の俺には最強の敵と見えていた親父への闘志も、いやいやながらマラソンに活かしていた体力も、好んで芸術活動に向けていた創造力も、本来投じられるはずの出力先を失ったおかげで、力という力がサッカーだけに集中して、結果的にはプレーに磨きをかけることに繋がった。必要がなくなったり 嫌気がさして放棄したり 不当に奪われたりして、色んなものを失ってきたけど、そうした喪失やそれに伴う苦痛さえもが、俺をサッカーへと導くためのものだったように思えるんだ」

●「確かに彼には、問題児気質と言って過言でない抑えの利かない一面が見受けられた。だが、そうした有り余るほどのエネルギーと渇望の持ち主こそ、試行錯誤の果てに未曽有の領域を切り開く」

●『己が精神に翼を見出し、己が空へ羽ばたけ』

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