
本日は、クロヘリメジロザメが主役の大洗レポートです ♬
クロヘリメジロザメは、名前でわかる通りメジロザメ目に属する鮫の一種で、
大きくなると3mを超すくらいにまで成長する大型の鮫です。顔つきや身体つきも「いかにも鮫!」というオーソドックスでシャープな姿をした鮫で、ゆったり省エネ型のシロワニとは対照的に、スピードもあります。それだけに、水族館という場での飼育が難しいのか、私は今回初めてお目にかかりました。そのクロヘリが、ここアクアワールド大洗では、大水槽の上の方で泳いでいる幼魚も合わせると驚くほどの数がいるので、仰天しました!! Σ(゚Д゚)
事前にHPでどういう種類の鮫がいるのかを下調べしていたとき、私はプリントアウトしたこのクロヘリの画像に丸をつけ、「大洗に行ったら絶対に見逃せない鮫トップ3」にランキングしていたのですが、いてもせいぜい2~3尾程度だろうと思っていたのです。それがまさか、こんなにもガッツリと大小様々なクロヘリを見られようとは\(◎o◎)/ 大水槽には数えきれないくらいの幼魚がウロウロしているわ、大型鮫ばかり寄せ集めたシロワニ水槽の方には、シロワニを超すサイズの巨大な成魚もいるわで、夢のような光景でした 💖 ✨ もしかしたら地域柄、ここ大洗界隈の海がクロヘリたちのメッカで、比較的に網にかかりやすい種なのかもしれませんね。羨ましい!!(≧▽≦)
写真だけで見ていると、ドタブカに似ているようにも見えるし、
幼魚のときにはオグロメジロザメに似ているようにも見えるしで、
他のメジロ系との区別が難しい種の一つですが、こうして直に見てみると、
「写真ではそっくりだと思ったけど、やっぱりドカブカ説濃厚な須磨の個体とも全然違うなぁ」と、
(素人目ではありますが)それなりに違いが掴めた気もしました。こういうのって、大事なことですよね☆彡 人間だって、髪の色や肌の色や瞳の色がほぼ同じで、しかも同じ制服を着て同じ髪型で統一された集団などの場合、写真で見ているだけでは、どれが誰だか区別しづらいけれど、いざ実際に会ってみると、個々様々に全く違っていて、その後はニュアンスだけでもだいたい区別できるようになるってこと、ありますよね? 専門家ではないので、言葉で「見分け方のコツ」なんて説明はできないけれど、とにかく違う、と。。。
(そして私は、ヒレの形や歯の形などの身体的特徴が頭に入り切っていない分、それを補う形で、顔だちやニュアンスから ある程度鮫々を見分けられるようになること、というのを目標にしている鮫ファンです ♬ そのためにはこうやって、なるべく写真ではなく生で見る機会を持たなくては、と再実感できました ♬ まだまだですが、頑張ります 💨 )
それにしても、動きにキレがあってギラリとしたハンターの眼光もあって、
実に鮫らしい鮫、そして魚前な鮫々でした ( ´艸`) ☆彡

ところで、クロヘリ成魚たちがいるシロワニ水槽の中には、レモンザメやコモリザメなど、他の鮫々も同居しているんですが、皆様は区別できますか? 参考までに画像をUPしておくと、まず上の画像の鮫が、レモンザメです👆
体色が少し黄色っぽいのでレモンザメと呼ばれているのですが、
私のこの画像ではちょっと色まではわかりづらいですね? (。-人-。)
でもレモンザメは口元や顔つきにかなり特徴があって、正面から見るとニンマリ悪だくみをしているかのような、いたずらな表情を湛えています (^^;) クロヘリと同じメジロザメ科でも、半開きの口から見える歯がかなり特徴的で、私は一目でそれと見分けられました。(同じく口を少し開けて泳ぎ、鋭い歯を覗かせているシロワニとイメージが重なり、私ははじめ、このレモンザメをシロワニと同じネズミザメ系の鮫かと思っていたほどです f^_^;)
とにかく、外見上は 非常に区別しやすい鮫の一種です。

お次はナースシャーク こと コモリザメ(小守鮫)です▲
この子たちはテンジクザメ目に属する鮫なんですが、レモンザメよりも黄色い体色や、目立って小さい米粒のような眼、イヌザメと同じでちょっとトボけたような口ひげ、またおっとりとした癒し系の雰囲気などから、この水槽内ではすぐに区別がつきます。(もし同じ水槽内に、そっくりさんのオオテンジクザメがいたら、これまた素人目には区別が難しくなるところですが、ここでこの手の容姿の鮫はコモリザメだけなので、大丈夫です 👌 )
見た目もさることながら、行動でもすぐに他の鮫々とは見分けられますよ。何しろ、給餌の時間以外は、殆ど動きませんからw 大人しくて飼いやすい安全種なので、須磨海浜水族園や他の水族館でも時々見かけるんですが、いつも水槽の底の方で省エネ休憩をしていて、時間帯によっては爆睡しているかのように身じろぎ一つしないので、来館した子供たちから、よく「お母さん、あの鮫死んでるで~w」とか言われています A^_^;
…… いえね、あれは死んでいるのではなく、サボっているだけなんですよ(苦笑)
鮫は泳ぎ続けないと息ができなくなって死ぬ、というのは、ホホジロやアオザメみたいに外洋で積極的に獲物を捜すタイプの、一部の大型鮫に特有の話ですから、こういう静止型の地味~な奴等もいるんです、ハイヾ(~_~;) ( ※ 昼間は殆ど動かない鮫の代表格、ドチザメやネムリブカと同じで、もちろんこのコモリザメにも、静止していても酸素を吸収できる器官、噴水孔がありますからねー。泳いでいなくても、ちゃんと生きてます:笑)
ちなみに、名前の由来は、母鮫が子鮫に寄り添うようにして泳いでいることがあるからとか、子鮫が獲物を食べるときに、シュポン!と哺乳瓶を吸うときのような音を立てるからとか、色んな説があるようですが、実際のところは定かではありません。給餌の際の貪欲さを見る限りでは、普段大人しいこういうタイプほど、その実、子鮫の分まで自分で全部食べてしまいそうな喰いっぷりで、面倒見の良い印象は全然ないんですけどね(笑) むしろシロワニやクロヘリのような、一見鋭いハンターの目つきをした強面の鮫々の方が、「足るを知る」の精神で小食だったりするものです、ハイ (^^;)

さて、本日の主役、クロヘリメジロザメの話題に戻りますが、
シロワニ水槽内のクロヘリ成魚たちの多くは、激しく負傷した痕が見られ、中には片目がダメになってしまっているほど、痛々しい姿の個体もいます。来館者たちの多くは、それを見るなり「うわっ、これ見て。サメってやっぱり凶暴だから、サメ同士で喧嘩するんやわ。グロテスクだねーw」などと口々に言っていました 💢 が、今回同行していただいた一人に水族館関係者の方(← 水族館員の卵たちを育て上げ、全国の水族館に教え子を送り出している方。※以下『TKさん』)もいらしたので、せっかくだから真相を訊いてみました。このクロヘリたちの傷跡は、殆どが給餌の際にできたもので、岩陰などの狭い場所に入り込んでしまった餌を拾おうとしてガリっと擦り付けてしまった痕なのだそうです。
私はてっきり、彼等の遊泳力自体が仇となり、勢い余って水槽の壁にぶつかったのかと想像していたんですが、それもハズレでしたね (^^;) 💦 (← 実際、身体が大きくなって別の水槽に移し替えたときなどに、興奮して泳ぎ回り水槽の壁にぶつかったり、水槽の端がわからずにぶつかったり、ということなら多くの水族館で起きているようですがw そしてマグロのようにスピードがありすぎると、最悪は即死ですw ) 考えてみれば、水槽の壁は平らでツルツルですから、ぶつかったとしてもせいぜい打ち身止まりで、こんな擦り傷にはならないはず。増してサメ同士で喧嘩などしようものなら、ギザギザの歯型が残るか、鉤爪のような(「エルム街の悪夢」のフレディのような:笑)痕になるはず。
ようするにまあ、ここでもまたサメに対する色んな偏見で、誤解が生まれていたわけですね。
鮫は、種によっては、背中を曲げて胸鰭を下げることで威嚇するヒレ言語を使ったり、時に身体の大きさを比較して見せつけることで、戦わずして優先的に獲物を得たりする社会行動が確認されていて、無駄な争いを極力避ける傾向があるくらいなのに、喧嘩っ早い争い好きと思われていたり、勢い余って止まり損ねたと思われていたり。。。(;一_一) <( _ _ )>
人間界でも同じことが言えますが、強面はつくづく損ですな、ハイ w
余談ですが、うちの相方もかなりの強面で、ガタイもいいので、よく人からビビられますw
一見お育ちが良さそうだと勘違いされ、格闘技をやっていたようには全然見えない私の方が、
本当はかなり性格のキツい曲者タイプなのに、あら可哀そう(笑) ヾ(-_-メ)

ところで、私が一番気になっていたのは、どうやって負傷したのか、という点よりも、鮫たちの傷跡の数々は、どうして治らないんだろうという点でした。TVの映像で見る鮫たちも、水族館で見る生の鮫たちも、傷まみれの個体が多くて、しかも研究者たちがよくその傷跡を目印に個体識別をしていたりします。そこでふと疑問に思ったのが、「傷跡なんて目印にしていたら、治ってしまったときに個体の区別がつかなくなって、困るのでは?」ということです。素朴な疑問ですが、ずーっと気になっていたので、未来の水族館職員たちの教育者であるTKさんに、また恥を忍んで訊いてみました。「鮫の傷って、治らないんですか?」と。
こんな私でも、一応仮にも鮫ファンの一人ですから、いくら何でも映画の悪役鮫のような、刺しても撃っても死なないモンスター級の逞しさ、なんていう現実離れしたイメージは抱いていませんが、それでも鮫というと、知れば知るほど驚きの能力を秘めていて、一見シンプルな体つきの内側に、人間には到底敵わない高性能な器官があれこれ備わっている、というのがまず頭にあります。たとえば、一本でも歯が欠けたら、隊列のように後ろに控えている無数の歯の中から、一番手前の一本が立ち上がって、すぐに新しく入れ替わる、というのも、鮫の驚くべき強み・特異性の一つです。最近では、鮫の血液に癌に対する抗体があるかもしれない、なんていう凄い説も発表されているくらいですから、何となく、治癒力においても 人間や他の生物を遥かに凌ぐものがありそうだな、と思っていたんです。なのに何故だか、彼等の多くは武将傷まみれで、しかもその傷が、当たり前のように残り続けることを前提に、鮫研究の専門家たちが目印にしている…w 違和感ありますよね? と思うのは、私だけ???

── ですが その疑問は、
実に常識的な観点であっさり解消されました (^▽^;)
「いやいや、治りますよ、当然w」というTKさんの話によると、一見傷まみれの彼等は、あれでもすでに治るところまで治っていて、必要範囲で充分に穴が塞がっているので、それ以上は変わらない、というだけのことでした。
確かに、そう聞いてみれば当たり前の話です。
人間で言うところの一生傷というやつですね。
ただ、その一生傷になる確率が人間よりも高いように見えるのは、これまた私の偏見でしょうか??? 人間なら、よほどの深手を負うか 歪な開き方した傷口でない限り、傷跡というのはけっこうな割合で綺麗に完治し、大抵は何事もなかったかのように元通りになります。衣服や何かで神経質に自分の身を護りながら暮らす人間に比べて、野生の生き物の方が負傷率が高く、深手を負うこともよくあるせいで、そんなように見えているだけなのかもしれませんが、やっぱりこういうところにも、鮫ならではの特異性、鮫らしさと呼べるものが、表れているような気がしてならないのです。つまり、あの流線型の絞れた体つきに見られる通りの、「何事も無駄なく必要範囲内 !!」という小気味がいいほど目的合理的な気質です。
動物なんだから、当然治癒力はあるけれど、それすらも無駄なく必要範囲内。
人間のように自分が誰にどう見られるかなどお構いなしな彼等にとって、生命を脅かさないレベルにまで穴が塞がりさえすれば、表面が一見エグい見栄えのままであろうが ボロボロであろうが、何ら大した問題ではないのでしょう(笑) だから治りはしても 綺麗に元通りにまではならず、そこそこのところで放置されてしまうw
鮫ファンの私目線には、雑というよりは男気のようなものを感じられて、むしろ天晴れです!!(← もちろん、半分は雌ですし、交尾の際に雄につけられた傷である可能性も高いのですが 💦) そしてこのクロヘリたちを見ていて、改めて思いました。やっぱり鮫って、カッコいい!!と 💘
そんなわけで、皆さまも今後 傷まみれの鮫を見かけたら、
グロいとか怖いとか言わずに、是非応援してやってください (^_-)-☆
ボロボロになっていても構わず飄々と進み続ける、武将傷まみれの鮫々を!!
🎥 それでは最後に、本日の主役 クロヘリメジロザメを中心に撮った動画をご覧ください。
きっと鮫のカッコ良さに惚れ直しますよ~( ´艸`)▼
(※音楽がスリラー系入っていて、めちゃくちゃ妖しげですが m(_ _)m 苦笑)
※ 私が独自に作成した大洗鮫ギャラリーのページはこちら▼
📷 『 アクアワールド大洗のサメたち』