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鳥羽水イタチザメ~涙の日記

  • 悠冴紀
  • 2016年11月25日
  • 読了時間: 6分

皆々様、すっかり冬めいてきましたが、いかがお過ごしでしょうか?

最近予定密々で なかなかブログ更新ができず、ネタが溜まりに溜まってしまっている私はというと、実は日本の東や北が続々と初雪を観測していた今月24日に、潮風の吹く鳥羽へと行って参りました。何故わざわざ、いかにも大阪よりも寒そうな鳥羽へ、そんな日を選んで行ったのかと申しますと、なんと21日に地元漁師の網に偶然かかったイタチザメを、鳥羽水族館が譲り受けて翌日から展示し始めたという、思いがけないビッグニュースを入手したからです!!▼

上記のサイト 👆 でも簡単な説明書きがありますが、

イタチザメというと、ホホジロザメ、オオメジロザメ、ヨゴレザメと並んで、危険鮫四天王

と囁かれている大物鮫の一種で、成長すると7mを超える巨体になることもある鮫です。

戦略家のホホジロとは違って、気になるものがあると手当たり次第にまず口に入れてしまうという傾向があるらしく、『海のゴミ箱』という異名もあります(笑) 座礁した個体や網にかかって死んでいた個体を解剖したら、胃袋から車のナンバープレートや産業廃棄物などが出てきた、なんてことが実際によくあるのだそうな A^_^;

鮫は現在確認されているだけでも500を超える種があり、その殆どは人に危害を加えない安全種です! このイタチザメのように危険な種も確かに実在していますが、面白く見せるため無理やり悪役臭く誇張・脚色した映画などのフィクションに惑わされて、「鮫」と聞くだけで過剰に危険視したり敵視したりしないよう、気をつけてください! 鮫ファンからの切なる願いです m(_ _)m)

「なになに!? イタチザメだって!?Σ(゚Д゚) そんな大物が、うちから2時間程度で行けるあの鳥羽水に来たのなら、鮫ファンとしては行かない手はない!!」と、11月24日、急きょ鳥羽に向かった私。居ても立っても居られませんでした (≧▽≦) ← 相変わらず、鮫に関するときだけ驚くほどの行動力… σ(^▽^;)

近鉄特急の電車の中から道々紅葉を眺め、ワクワクしながら行ってきましたよ~♬

日本の東側の天気予報に惑わされて ものすごい厚着をし、まだ予想したほど寒くは

なかった伊勢志摩方面行きの電車内で、季節外れにも汗ばみながら。。。(;一_一)

鳥羽に着いてみると、外は適温で暑くも寒くもなかったのですが、

電車や水族館の暖房がきつかったですw 冬物コートで行くんじゃなかったw

……と、まあ、そんな愚痴はともかくとして、

ついに実現できました!! 超大物鮫イタチザメとの初対面!!

と言っても、まだ小さい赤ちゃん鮫(体長130㎝ 程度)ですから、

この通り、思わず撫で撫でヾ(・ω・*)したくなるような愛くるしい姿です!! 👇

鳥羽水族館のイタチザメ幼魚(2016年11月24日)

いかがですかー?

とても危険鮫四天王と呼ばれるホホジロ級の大物とは思えない、あどけない眼をしていると思いませんか? 鯖のような独特の模様も、オシャレで可愛らしいでしょう? (⋈◍>◡<◍)。✧♡ どんな生き物でも、小さい子供のときって、縫いぐるみのような愛くるしさがありますね ♬ これを見て、私のような鮫ファンではない他の人たちにも、可愛いと思っていただけると幸いです ( ´艸`)

ただ、この子のいた水槽は、シロワニやドチザメと同じ、かなり窮屈な水槽です。

時折水面で空気を吸い込んで胃に溜めておけるシロワニや、噴水孔という器官から海水を取り込んで、静止していても充分な酸素を得ることのできる底生のドチザメとは違い、典型的に外洋性の回遊魚の特徴を備えているこのイタチザメは、ホホジロなどと同様、泳ぎ続けていないと身体を浮かせていられない(鮫は基本的に、体内に浮袋を持っていませんw)し、息もできなくなってしまいますw 「鮫は止まると死ぬ」というのは、まさにこういうタイプの鮫のことを言うのです。強さの裏には、必ず大きなリスクと儚さがあるものなのですよ 😢

こちらはドチザメ。模様で区別がつくでしょう? ^_^;

ただでさえ狭いこの水槽内に、これでもかというほどウジャウジャとドチザメ等の同居者がいるため、捕獲された時点ですでに弱っていたと思われるイタチの赤ちゃん鮫には、かなり住み心地の悪い環境だったようで、頑張って泳ごうとするも、度々他の魚にぶつかられ、押しやられて、途中で力尽きたように尾から沈んでいっては、水槽の底で身動きできなくなってしまう始末w

私は今回、来館するなり即この水槽に直行し、閉館ギリギリの夕方5時まで、何度も何度もここに戻ってきては、この子の様子を観察していたのですが、時間が経つにつれみるみる弱っていき、最悪は裏返しの状態でぐったりとしていることが多くなりました。それはもう見ていられないほど痛々しくて、思わず涙が出そうになりました。何度も裏返って動けなくなっては、またどうにか息をしようと懸命に泳ぎ出す。そんなことの繰り返しで、私は内心、「頑張れ!! 死なないでー!!( ;∀;)ノ」と、必死で応援していました。

沈んでいくイタチザメ幼魚 (T_T)

ですがやはり、ここはイタチザメが生きられるような場ではなかったのでしょう。

あれからずっと、あのイタチザメが気になって、小まめに鳥羽水族館のニュースを確認していたのですが、私が来館した翌日(25日)には「イタチザメは療養中のため、現在は展示を中止しています」と注意書きが出て、翌々日の今日(26日)には、とうとう「死亡しました」との追記がありました (ノД`)・゜・。

出先から帰ってくるなりその知らせを受けて、私は思わず号泣してしまいました (T_T)

あの様子だと長くはもたないだろうと、覚悟はしていたのですが、私にとって、あの子は生まれて初めて間近に目にした生きたイタチザメ。たった一日とは言え、来館中、合間合間に別の水槽も訪れつつ、計10回ぐらい顔を拝みに行った相手ですから、もうすっかり愛着が湧いてしまって、「遠くの水族館に行けば他にも飼育中の個体がいる」ではなく「この子に生きていてほしいんだ!!」という思いでいっぱいになっていました。

そんなわけで、今日は哀しい訃報を受けた「涙の日記」なのです (/_;)

では皆様、残念ながら「遺影」ということになってしまいましたが、

僅かな期間でも貴重な姿を見せてくれた かのイタチザメの生前の姿を、

しかと目に焼き付けてあげてください (´;ω;`)ウゥゥ▼

忘れないでいてやってください、いつまでも (´;ω;`)ウゥゥ

私の撮影技術が悪くて、不鮮明なのが申し訳ないですが、

動画にも撮ってきましたので、是非ご覧ください ▼

元気に泳いでいる姿ではなく、力無く沈んでいく痛々しい姿が大半ですが、ご了承ください(。-人-。)

※あ、一緒に映っている同じぐらいのサイズ(1.3~1.5m程度)の他の鮫は、多くがドチザメです。鮫好きな人たちなら大抵一目に区別がつく水族館の定番の鮫なんですが、鮫にも水族館にも慣れていない人たちには、山ほどのドチザメに紛れているイタチザメの幼魚を見つけるのが困難になるかもしれないので、一応3つ上(この日記の半ばあたり)に参考画像を載せておきました。身体にところどころホクロみたいなドット模様があったり、薄っすらと横縞が入っているのがドチザメです。イタチは鼻先がちょっと四角っぽくて、身体にはっきりとした鯖みたいな柄があります。

無力に眺めることしかできなくて、ゴメンね (ノД`)・゜・。 そしてありがとう (T_T)/~

7本鮫伝説の残る志摩地方に散っていった、儚く愛らしいイタチザメちゃんよ、安らかに!!

…… 私、伊雑宮付近に祠でも造りに行こうかな。。。 クスン (/_;)

ではでは、今日は皆様に哀しい話をお届けしてしまったので、

最後に、今も鳥羽水族館で元気に暮らしている他の鮫たちの

画像を進呈して、本日の締めくくりといたしますm(_ _)m▼

※ 今回のフォトアルバムも作成しておきました▼

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