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悠冴紀

詩『No Home』

更新日:2023年2月24日


私は人の子にあらず とうに自ら放棄した 後悔はない 今は常に満たされている 家族はいない 二度といらない 母とは大地 父とは大気 私にはそれで充分だ 帰るべき生家はない なくていい すべてを宿しながら 何者をも囲わない無限の宇宙 里と呼ぶに相応しい唯一の場 皆はじめから

そこにいたのだ 影は智 光は力 思えばずっと そう生きてきた 子にはならぬが

親にもならず

ただ学び

ただ諭して――

私に雨をくれ 濁った雨を 私に風をくれ 斬るような疾風を それがむしろ 歓びになる 雲よ 屋根の真似をしなくていい 木立よ 私を護らなくていい ここにはむしろ 地の利がある 責任ある自由と 後ろ盾なき独走 求めたすべてが集約されて こうした今をもたらした これが唯一の

帰るべき家

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※2012年5月の作品 注)この作品を一部でも引用・転載する場合は、必ず「悠冴紀作『No Home』より」と明記してください。自分の作品であるかのように公開するのは、著作権の侵害に当たります!


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