泣いている 毎日毎日 泣いている 扉の向こうにすべての人間を閉め出して 一人という安全に身を置くと 私は毎日欠かさず 泣いている 涙は余計な感情を洗い流す道具 考えることにさえ疲れてしまったから ただひたすら涙を流す 他人に何かを求めることが どれだけバカらしいか覚ったから 一人で泣く この人生には 邪魔なものが付着しすぎている うっとうしい感情が多すぎる だから 大粒の涙を搾り出して さっさと汚物を流し出す それでも毎日泣いている 流しても流しても尽きない汚物 私はやっぱり泣いている 他に手が無く 気力も無く 虚脱の底で泣いている 痛みを感じる余裕も無く いちいち傷つくのも面倒で とりあえず 泣く 同情も勘違いも うっとうしくて 誰にも見られないように 泣く 汚物が溜まっては 泣く 麻痺した心で どうでもよくなった命の垢を落とすため 私はまた泣く 毎日泣いて暮らしている
※これは確か、二十歳ぐらいのとき(1997年頃?)に書いた詩だったと思います。
タイトルから想像されがちな、思わず手を差し伸べてあげたくなる繊細でしんみりとした涙の詩、ではなく、本作はいかにも私らしい荒っぽくて醒め醒めとした自己完結型の泣き方を表現した可愛げのない詩です m(_ _)m 当時の私は良くも悪くも個人主義的で、誰の助けも憐れみも期待せず、さっさと振っ切るためにこそ思い切りよく涙を流し、灰汁抜きというかデトックスというか、ストレス発散の目的で敢えて存分に泣いていました。(←扉を閉め切り、一人になったときだけ、の話ですが。) そして、そうやって人知れずせいぜい泣き倒した後には、むしろすっきりした気分になって、独りで勝手に立ち直っている。そういう人間だったのですf^_^; ですが、そんな発散方法でさえ流し切れないほど、次から次へと厄介事が降りかかってきて、身の周りの状況が手に負えないほど怪物化してしまうことは、やはりある。この詩はちょうどそういう時期に書いたものでした。
注)私の作品を一部でも引用・転載する場合は、必ず『悠冴紀作』と明記してください。 自分の作品であるかのように公開するのは、著作権の侵害に当たります m(_ _)m
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